「為替・債券・株価」はどう関係して動く?

2008年のリーマンショック以降、その対処策としてアメリカは大規模な量的金融緩和(端的に言えばドルをたくさん刷って市場に流通させること)を実施。

それに伴い、日本では“ある特殊な現象”が発生しました。
それは「為替・債券・株」すべてが同時に上昇するという現象です。

日本のマーケットでは、“株と通貨は相反して動く”のが常識。
円高になれば日経平均株価が下落し、円安傾向になるほど日経平均は上昇するというのが日本における株と通貨の関係性だったわけです。

ところが、その原則が突然崩壊。

リスク回避として円が買われ円高になると同時に、金融緩和によって溢れた世界の投資マネーが大量に日本の株式市場にも流れ込んできたことにより、「為替・債券・株価」が一斉に値上がりするという異例の事態となったわけです。

その後、景気の回復を背景にアメリカは利上げを実施。
そのおかげで漸く日本では、株と通貨の関係性が徐々に元に戻ってきたかにみえます。

ただし、イギリスのEU離脱など様々な問題などの影響を受け乱高下する昨今の相場状況を見る限り、今後は、相場に「円高株安/円安株高」という従来的な常識が通用しない事態が多々発生し得る…と覚悟をしておいた方が良いかもしれません。

思い起こせば昨年も、中国による人民元切下げの影響をうけて日本の相場が大荒れになったことがありましたね。
このように日本の相場を動かすのは何も国内で起きた出来事だけではないのです。
海外で何か大きな出来事があると、その影響が日本の相場に従来の連動感と異なる動きをもたらしてしまうため、投資をするうえでは日本のみならず世界情勢・世界の経済状況にも常日頃から目を向けていくよう心がけましょう。


出どころ: 【ワイバイナリー.jp】

【取引時間と相場の話】

なお、相場の動きを見るうえでは取引タイムを注目することも大切。
従来的な「円高株安/円安株高」という流れを取り戻しつつある日本の相場ですが、いまだ東京タイムではドル円相場と日経平均とが連動して動きやすい傾向がみられます。
このように、取引時間ごとの相場の動きにはそれぞれ特徴があるため、ぜひ取引をする際には取引タイムについても意識をしてみてください。


【新興国通貨はどう動く?】

次は、最近話題の新興国通貨の動きについて、ちょっと触れてみたいと思います。
動きが大きく、また高金利であることから近年日本でも投資対象として人気が高まっている新興国通貨。

皆さんの中にも、新興国通貨の取引に興味・関心がある方は多いのではないでしょうか。

ただ新興国通貨の取引には注意が必要です。

通常、通貨の価格と金利は連動して動くもの。
金利が高い通貨は買われやすくなり価格が上昇、金利が低下すれば保有するメリットが下がるため売られやすくなり通貨価格も併せて下落する仕組であり、日本円でいえば「円高=高金利/円安=低金利」という構図が成り立つわけです。

ところが、そうした図式と必ずしも合致しないのが新興国通貨…。

新興国通貨は、海外マネーを呼び込むためやインフレ対策として金利を高く設定していますよね。ただし…高金利なら通貨価値も高いかというと…そうとは言えず、新興国通貨は常に“高金利にも関わらず、どんどん売られかねないリスク”を孕んでいるのです。

とりわけ、新興国通貨の動きに大きな影響を与えるのが米ドルの動き。
なかでもアメリカの利上げ政策は、新興国通貨の価格を大いに揺るがします。

例として昨年のことを思い出してください。
冒頭で述べた通り、近年のアメリカはドルをどんどん刷って市場に流通させてきました。
そして、その米ドルの多くが投資目的で新興国にも流れていたわけです。
ところが、アメリカは政策を転換。利上げに踏み切りました。
すると、それまで新興国マーケットに流れ込んでいた米ドルはどうなったか…。 
一斉に新興国市場から引き上げられることになったわけです。
その結果として新興国市場は大打撃を被り、もともと流通量が少ない新興国通貨の価値は大幅に下落。新興国の通貨安は今なお続いています。

つまり新興国通貨は、高金利でありながらもアメリカの政策1つで大幅に下落しかねないということ。新興国通貨と米ドルの関係性からは、これからも当分目が離せそうにありません。

新興国通貨の取引に興味がある方は、高金利の旨みに安易に飛びつくのではなく、アメリカの経済政策にも目を向けながら慎重に取引を進めていくようにして下さい。


【さいごに】

「為替・債券・株価」の動きには、おおよそのパターンが存在します。
よって、それらを念頭においておけば、大いに投資の役に立つでしょう。

しなしながら今回ここでお話ししたように、昨今の相場には従来の常識が通用しないことも多くなってきているのが事実。今後投資をするにあたっては、“状況に合わせた判断を臨機応変に下すチカラ”がこれまで以上に益々求められるようになるでしょう。

例外的な動きを見せることも多い昨今の市場を相手に投資を進めていくには、固定観念にとらわれていてはいけません!

投資をされている方・投資に興味がある方はぜひ、どんな事態が来ても慌てず対処できるよう、過去の相場を学ぶと同時に、世界の出来事に目を向け“日々欠かさず情報収集”を行ってください。
そして、常に相場のリアルな動きを把握し、その時その時の状況に合わせた最適な判断を下していっていただきたいと思います。